平成元年度の税制改正では、動力炉・核燃料開発事業団に対する一定の出えん金の損金算入特例について、期限を2年間延長するとともに、対象に関するウラン濃縮施設の文言を削除しました。租税特別措置法第66条の11の改正と、附則の適用関係を整理します。
期限延長と対象整理の2つの改正
| 改正箇所 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 第66条の11の期限 | 昭和64年3月31日 | 平成3年3月31日 |
| 対象に関する文言 | 政令で定めるウラン濃縮施設を含む文言 | 当該文言を削除 |
昭和64年3月31日は1989年3月31日、平成3年3月31日は1991年3月31日です。この変更は実際の期限延長であり、同じ日付の元号表記を改めただけの変更とは異なります。一方、期限が延びたからといって旧制度の対象がそのまま維持されたわけではありません。
施行日と支出日の関係
| 支出の時点 | 附則第14条の扱い |
|---|---|
| 平成元年4月1日より前 | 旧第66条の11所定の出えん金は従前の扱い |
| 平成元年4月1日以後 | 新第66条の11所定の出えん金に新規定を適用 |
経過措置は、法人の事業年度の開始日だけでなく、出えん金を支出した日を基準にしています。施行前に支出したものについては従前の扱いとされ、新規定が遡って一律に適用されるものではありません。
実務資料を照合する際の確認項目
| 確認する資料・事項 | 確認する理由 |
|---|---|
| 支出先の名称 | 当時の制度の対象となる出えん金かを確認する |
| 事業・施設や使途 | 第66条の11および政令所定の対象かを確認する |
| 支出日 | 新規定か従前の扱いかを区別する |
| 対象期間 | 延長後の期限を確認する |
| 他の損金算入規定 | 今回の特例の対象整理と、他の税務上の扱いを区別する |
対象からの削除を読むときの注意
今回削除されたのは、この特例の条文中にあるウラン濃縮施設の文言です。それだけを根拠に、あらゆる支出や寄附が税務上費用にならなくなったと説明することはできません。また、特例による損金算入と、支出額と同額の税額控除は異なります。税率や会社全体の所得計算を伴わずに減税額を決めることはできません。
一次資料
衆議院:租税特別措置法の一部を改正する法律(平成元年法律第12号)(第66条の11の改正、附則第14条)。図表は条文に基づく独自の整理です。本記事は平成元年当時の改正履歴を説明しています。






