法人課税では賃上げ促進税制の拡充が中心です。給与の増加額に対する税額控除を大企業・中小企業ごとに設計し、人材への投資も評価する仕組みとなります。
この記事は2021-12-10に公表された令和4年度の与党税制改正大綱をもとに、法人課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
賃上げ促進税制の控除率を拡充
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
大企業は最大30%、中小企業は最大40%の税額控除率を設ける方針です。最大値は給与の増加や教育訓練等の上乗せ条件を満たした場合で、給与を上げれば必ず最大控除になるわけではありません。
併せて押さえたい仕組み
一定規模以上の大企業には従業員等に配慮する取組みの表明を求める方針です。比較対象となる給与の範囲や雇用区分など、会社の区分に応じた計算ルールを確認します。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 賃上げ促進税制の控除率を拡充 |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 控除率と法人税額に対する控除上限は別です。赤字の会社でも同じように現金給付を受けられる制度とは考えません。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
前年より給与総額を増やした中小企業は、補助金等を差し引く必要があるか、対象となる従業員の範囲は何かを整理します。税額控除の見込みを決める前に賃上げ額と法人税額の両方を確認しましょう。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「令和4年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
控除率と法人税額に対する控除上限は別です。赤字の会社でも同じように現金給付を受けられる制度とは考えません。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。








