個人所得課税

平成元年度・土地譲渡所得|収用等の特別控除を3,000万円から5,000万円へ

平成元年度改正では、個人が収用交換等により資産を譲渡した場合の特別控除が、その年の譲渡に限って3,000万円から5,000万円に引き上げられました。根拠は平成元年法律第12号による租税特別措置法第33条の4の改正です。

図表1 控除額と対象期間

項目改正内容
従来の控除額3,000万円
平成元年の特例5,000万円
増加額2,000万円
対象譲渡期間1989年1月1日〜12月31日(昭和64年の期間を含む)
改正法律本文を基に作成。施行後の譲渡だけに限るという意味ではなく、法律が定める当年の対象譲渡期間を表示。

特別控除は譲渡所得の計算に使う額です。控除額が2,000万円増えても、納付する税額が2,000万円減るわけではありません。また、一般の土地売買すべてに使える控除ではありません。

図表2 控除前の所得を使った比較

控除前の対象譲渡所得控除上限3,000万円の場合控除上限5,000万円の場合
2,000万円0円0円
4,000万円1,000万円0円
6,000万円3,000万円1,000万円
編集部の計算例。要件を満たす一件の所得について、控除前所得から上限額を差し引き0円を下限とした単純比較。他の譲渡との調整、特例選択、税率などを省略。

図表3 適用判断の順序

① 対象となる収用交換等かを確認
↓
② 対象譲渡日が1989年中かを確認
↓
③ 特例の適用条件と申告書類を確認
↓
④ 控除前の譲渡所得に控除額を適用
独自の確認用模式図。通常売買と公共事業の収用等を混同しないための整理。

関連する技術的改正

同じ改正では、条件付の収用等の特別控除に関する第36条にも、控除額の引上げに対応する規定が追加されています。都市再開発・農用地整備に関する規定の調整も含まれますが、制度ごとに対象事業や権利の条件が異なります。

制度史としての読み方

当初の引上げは1年限りの措置でした。後年の延長・改正は別年度の履歴として扱います。本記事の期間を、現在の特例の適用期限と解釈しないでください。

一次資料

衆議院・平成元年法律第12号「租税特別措置法の一部を改正する法律」(第33条の4、第36条の改正)。背景については財務省『平成財政史』第4巻、第1章第2節、21頁を参照。図表は独自整理・仮定計算です。

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