個人所得課税

平成元年度・技術等海外取引|所得の特別控除率を25%から22%へ

平成元年度改正では、技術等海外取引による所得の特別控除について、基本となる率が25%から22%に引き下げられました。個人の第21条と法人の第58条に対応する改正が設けられ、施行をまたぐ年・事業年度には経過措置があります。

改正前後の率

項目改正前改正後
基本の特別控除率25%22%
個人の適用条文第21条第21条
法人の適用条文第58条第58条
図表1 基本率の比較

すべての海外売上げにこの率を使う制度ではありません。法律が定める技術等海外取引の種類や所得計算上の限度等を確認します。別率の取引もあるため、この表は基本率部分を取り出した比較です。

個人の平成元年分の経過措置

対象収入の期間基本率部分の計算
昭和64年1月1日~平成元年3月31日対象収入×25%
平成元年4月1日~12月31日対象収入×22%
図表2 附則第7条による期間区分

附則は、当時の第21条第2項第3号の取引について、施行前の期間には16%を使うことも定めています。取引区分ごとの率を確認して計算する必要があります。

期間別の独自計算例

仮定した基本率対象収入率計算額
1~3月の収入400万円25%100万円
4~12月の収入1,200万円22%264万円
合計期間ごとに計算364万円
図表3 全収入に22%を掛けない例

これは基本率の対象収入だけを仮定した例であり、その他の法定限度等を反映した最終控除額ではありません。税額控除でもなく、計算額がそのまま納付税額から差し引かれるわけではありません。

法人の施行をまたぐ事業年度

附則第12条により、新規定は施行日以後に終了する事業年度分に適用されます。施行日前に開始し、施行日以後に終了する事業年度では、平成元年3月31日までの対象収入と4月1日以後の対象収入を分けて計算します。施行日前に終了した事業年度は従前の扱いです。

対象となる技術等海外取引か
↓
取引区分と収入の期間を確認
↓
施行前・施行後の率で別々に計算
↓
法定の限度等を確認して特別控除額を算定

期限表記の変更について

同時に「昭和65年3月31日」が「平成2年3月31日」に書き換えられていますが、これは同じ暦日の元号表記変更です。この部分を新たな適用期限の延長として扱うことはできません。

一次資料

衆議院:平成元年法律第12号(第21条・第58条の改正、附則第7条・第12条)。当時の改正を図表と独自例で整理しました。

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