平成元年度税制改正

平成元年度・法人税|基本税率40%への引下げと配当軽課の経過措置

平成元年4月1日以後に開始する事業年度から、普通法人の基本税率(留保分)は42%から40%へ引き下げられました。昭和63年の抜本改革に基づく段階的な変更です。売上げに40%を掛ける制度ではなく、法人税の課税所得に適用する国税の税率です。

図表1 基本税率の移行

区分改革前平成元年4月以後開始平成2年4月以後開始
普通法人の基本税率留保分42%/配当分32%留保分40%/配当分35%37.5%に一本化
資本金1億円以下の普通法人の年800万円以下の所得留保分30%/配当分24%留保分29%/配当分26%28%に一本化
財務省『平成財政史』第4巻、表2-4-1を基に作成。改革前欄は昭和62年4月1日以後終了事業年度の税率。翌年度の数値は移行の確認のため併記。

留保分の税率が下がる一方、普通法人の配当分の税率は移行期に上がっています。したがって「すべての所得区分の税率が一律に2ポイント下がった」と理解すると正確ではありません。

図表2 開始日で適用を判定する

事業年度の開始日を確認
↓
平成元年4月1日以後か
↓
該当する所得区分・法人区分の税率を適用
本改正の適用判定の模式図。単に決算日が平成元年4月以後というだけでは判定できない。

図表3 留保分に相当する所得1,000万円の単純比較

仮定税率計算国税の税額
42%1,000万円×42%420万円
40%1,000万円×40%400万円
差420万円−400万円20万円
編集部の仮定計算。軽減税率・配当区分・税額控除・地方税などを考慮しない、基本税率のみの比較。実際の法人全体の納税額ではない。

図表4 年800万円の所得を軽減税率だけで比べる

税率計算税額
30%800万円×30%240万円
29%800万円×29%232万円
28%800万円×28%224万円
編集部の仮定計算。年換算の所得800万円・軽減税率の適用対象法人を想定。30%と29%は留保分の税率で比較し、配当分や他の制度は省略。

読み取りのポイント

本年度は、基本税率の引下げと配当軽課の解消へ向かう移行期です。中小法人向けの軽減税率も別に確認する必要があります。また、国税の法人税率と、法人住民税・法人事業税などを含めた実効税率は別の指標です。

資料

財務省財務総合政策研究所『平成財政史―平成元〜12年度』第4巻、第2章第4節「法人税」、318頁・表2-4-1。図表は資料の税率に基づく独自整理と仮定計算。平成元年度当時の制度史として記載しています。

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