資産課税では非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予を利用しやすくする見直しが重要です。株式を渡す際の税負担だけでなく、承継後の雇用維持や継続届出にも関わります。
この記事は2016-12-08に公表された平成29年度の与党税制改正大綱をもとに、資産課税(相続税等)の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
事業承継税制の使い勝手を改善
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
災害や主要取引先の倒産等で売上が減少した場合の雇用確保要件などを緩和する方針です。予期しない事業環境の変化で猶予が取り消される懸念を減らすための変更と理解できます。
併せて押さえたい仕組み
相続時精算課税との併用を認め、生前の株式贈与を進めやすくする方針です。同時に取引相場のない株式の評価を見直すため、制度の対象になるかと株価がいくらかを別々に検討します。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 事業承継税制の使い勝手を改善 |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 納税猶予は納税免除と同義ではありません。取消しの条件と利子税、届出を合わせて理解します。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
後継者へ株式を移す社長は、税額だけを先に計算するより、従業員数の推移と認定要件を整理すると現実的です。災害後の売上減少を証する資料も、承継後に説明できる形で残します。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「平成29年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
納税猶予は納税免除と同義ではありません。取消しの条件と利子税、届出を合わせて理解します。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。







