平成元年度改正では、法人の収用換地等による資産譲渡についても、特別控除に相当する損金算入額の上限が3,000万円から5,000万円に引き上げられました。平成元年の対象譲渡に限る規定として、租税特別措置法第65条の2に第11項が追加されています。
対象期間と適用条文
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象主体 | 法人 |
| 対象譲渡 | 第65条の2の収用換地等による資産の譲渡 |
| 対象期間 | 昭和64年1月1日~平成元年12月31日 |
| 対象規定 | 同条第1項・第2項・第7項 |
| 金額の読み替え | 3,000万円→5,000万円 |
昭和64年1月1日から平成元年12月31日までは同じ1989年の暦年です。年度の記事ですが、法律が対象とする譲渡日は4月から翌3月ではありません。
損金算入の上限を比較
| 仮定した対象譲渡利益 | 上限3,000万円の場合の残額 | 上限5,000万円の場合の残額 |
|---|---|---|
| 2,000万円 | 0円 | 0円 |
| 4,000万円 | 1,000万円 | 0円 |
| 6,000万円 | 3,000万円 | 1,000万円 |
表は他の要件を満たす対象譲渡の利益だけを仮定し、限度額の差を示したものです。会社全体の所得や最終税額を計算した表ではありません。5,000万円の税金が免除されるという意味でもありません。
複数の譲渡に関する合計額の規定も調整
| 改正条文 | 調整内容 |
|---|---|
| 第65条の2第11項 | 対象の収用換地等について上限を5,000万円へ |
| 第65条の6第2項 | 対象の収用特例による損金算入額が3,000万円を超える場合、合計限度に係る3,000万円を5,000万円に読み替える |
個別の特別控除を引き上げても、複数の譲渡に係る控除合計の制限と整合しなければ効果が変わります。このため、同じ暦年の譲渡に係る合計額の規定にも追加項が置かれました。すべての譲渡特例の上限が一律に5,000万円へ変わったわけではありません。
個人の特別控除との関係
個人には第33条の4に対応する改正が設けられています。制度の方向は共通ですが、法人は法人税の所得計算と損金算入の条文で判断します。個人の確定申告の手続をそのまま法人へ当てはめることはできません。
一次資料
衆議院:平成元年法律第12号(第65条の2第11項・第65条の6第2項の追加)。当時の改正履歴です。







