平成元年度の法人税関係の改正では、高度技術工業用設備の特別償却について、適用期間の長さを5年から8年に拡大しました。一方、取得等の時期が遅い区分には低い特別償却率を設けています。当時の租税特別措置法第44条の2の改正を整理します。
期間拡大と償却率の組合せ
| 適用期間開始日から取得等まで | 設備の特別償却率 | 建物・附属設備の率 |
|---|---|---|
| 5年以内 | 30% | 15% |
| 5年超・7年以内 | 25% | 13% |
| 7年超・8年以内 | 20% | 10% |
「取得等」は取得・製作・建設を意味します。8年は一律に平成元年4月1日から数える期間ではなく、条文上の適用期間の開始日から判定します。承認計画、区域、対象資産など、当時の制度と政令に基づく要件も確認する必要があります。
取得価額1,000万円の計算例
表は各欄で取得価額1,000万円の対象資産を仮定した例です。普通償却額は含めていません。また、特別償却額と税額の減少額は異なります。
元号の書換えと期限の延長を区別
| 改正箇所 | 実質的な意味 |
|---|---|
| 5年→8年 | 取得等の適用期間の拡大 |
| 昭和64年3月31日→平成元年3月31日 | 同じ暦日の元号表記の変更 |
| 後半の期間区分を新設 | 時期別の償却率を導入 |
施行時の取扱い
附則第10条第5項により、新規定は施行日である平成元年4月1日以後に取得等をして事業の用に供する対象設備に適用されます。施行日前に取得等をした設備については従前の扱いとされました。年度の見出しだけでなく、実際の取得等の日を確認する改正です。
一次資料
衆議院:平成元年法律第12号(第44条の2の改正、附則第10条第5項)。本稿は当時の改正履歴の説明です。






