個人所得課税

平成元年度・特定余暇利用施設|個人事業者に13%の特別償却を新設

平成元年度税制改正では、総合保養地域整備法に基づく特定余暇利用施設について、青色申告をする個人向けの特別償却が設けられました。普通償却に加え、取得価額の13%相当額を計算に含める制度です。一般の宿泊施設すべてに適用される制度ではなく、承認基本構想や対象区域などの条件がありました。

対象者と資産

確認項目新設制度の条件
対象者青色申告書を提出する個人
対象地域承認基本構想に定められた重点整備地区
対象資産特定民間施設に含まれる建物・附属設備・構築物のうち政令で指定するもの
使用状況建設後、事業に使われたことがないもの
税務上の扱い事業供用年の事業所得の償却費に反映
図表1 租税特別措置法第11条の3の主要条件

承認と取得の期間を区別する

時点期間の定め
基本構想の承認平成元年4月1日~平成3年3月31日
施設の取得・建設と事業供用承認日から5年以内の期間で政令が定める期間内
費用の計算事業の用に供した日の属する年
図表2 平成3年3月31日は基本構想の承認期間の終期

承認期限と資産取得等の期間は別に定められています。「平成3年3月31日までにすべての施設取得を終える制度」と読み替えることはできません。具体的な期間は当時の政令まで確認する必要があります。

取得価額に対する計算例

仮定した取得価額13%相当額
1,000万円130万円
3,000万円390万円
5,000万円650万円
図表3 編集部による取得価額×13%の計算例

表の金額は特別償却の計算部分であり、普通償却額や税額の減少額を表すものではありません。法定の限度の範囲で必要経費として計算し、普通償却額を下回らないという条文の条件もあります。

承認基本構想と地区を確認
↓
対象資産・未使用の条件を確認
↓
政令による期間内の取得・建設・供用を確認
↓
普通償却と13%相当額から償却費を計算

条文番号の整備

旧第11条の2の削除、旧第11条の3の第11条の2への移動に続いて、この特例が新しい第11条の3として置かれました。改正前後で同じ条番号でも制度が異なるため、古い資料を照合する際には注意が必要です。

一次資料

衆議院:平成元年法律第12号(新設第11条の3)。平成元年当時の改正履歴を説明した記事です。図表・計算例は条文をもとに独自に作成しました。

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