個人所得課税

平成元年度・寡婦控除|扶養する子がいる一定の寡婦に8万円を加算

平成元年度税制改正では、一定の寡婦について所得税の寡婦控除に8万円を加算する特例が設けられました。扶養親族である子の存在や所得など、当時の要件を満たす人が対象です。本稿は平成元年当時の制度を整理します。

改正の内容と適用年

項目平成元年度改正の内容
新設条文租税特別措置法第41条の15
控除額当時の通常の寡婦控除額に8万円を加算
適用平成元年分以後の所得税
図表1 所得税の寡婦控除の特例

対象となる人

確認項目当時の条文に基づく条件
寡婦の区分当時の所得税法第2条第1項第31号イに該当する居住者
子の有無扶養親族である子を有する
所得要件合計所得金額が300万円以下
その他当時の所得税法上の老年者に該当しない
図表2 要件は組み合わせて判定する
判定の流れ
当時の寡婦の区分に該当
↓
扶養親族である子・所得300万円以下・老年者に該当しない
↓
通常の寡婦控除に8万円を加算

8万円は税額ではなく所得控除

加算額をそのまま還付額と考えることはできません。所得控除は課税所得を減らす仕組みです。次の表は、追加控除全額に同じ税率が適用されると仮定した計算例であり、当時の税率表や個人の実際の納税額を再現するものではありません。

仮定した限界税率追加所得控除単純計算による税額減少
10%8万円8,000円
20%8万円16,000円
30%8万円24,000円
図表3 8万円×仮定した税率の例

申告・年末調整に関する技術的改正

特例の創設に合わせ、所得税法の判定規定、年末調整の計算規定、給与所得者の扶養控除等申告書に関する規定について読み替えが定められました。控除額を変更するだけでなく、給与からの税額計算にも対応する改正です。

現在の寡婦控除・ひとり親控除と、対象者の定義や所得要件を混同しないようにしてください。また、住民税の控除額や適用年度は別に確認する必要があります。

出典

衆議院:租税特別措置法の一部を改正する法律(平成元年法律第12号)。第41条の15の新設規定および附則第2条を参照。図表と計算例はこれらの規定をもとに作成しました。

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