国際課税では子会社の配当と株式譲渡を組み合わせた租税回避への対応が主要項目です。大きな配当の後に株式を売る取引では、株式の帳簿価額の調整が論点になります。
この記事は2019-12-12に公表された令和2年度の与党税制改正大綱をもとに、国際課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
子会社配当と株式譲渡損の対策
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
特定関係子法人から一定規模の配当を受けた場合、益金不算入相当額を株式の帳簿価額から引き下げる仕組みを設ける方針です。配当が課税されないことと、株式売却損をそのまま使えることは別です。
併せて押さえたい仕組み
支配関係、配当額、保有期間等に応じた除外や調整があります。対象配当が帳簿価額の10%を超えるかだけを見て完結する制度ではないため、取得から売却までの経緯を整理します。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 子会社配当と株式譲渡損の対策 |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 大綱の国際課税の項目ですが、取引の相手が国内子会社でも関係し得ます。海外取引だけの制度と限定しません。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
会社買収後に多額の配当を受け、続いて株式を売る会社は、売却損の見込みを計算する前に簿価調整を検討します。配当決議と株式譲渡のスケジュールも一つの時系列で確認しましょう。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「令和2年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
大綱の国際課税の項目ですが、取引の相手が国内子会社でも関係し得ます。海外取引だけの制度と限定しません。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。








