国際課税では恒久的施設、いわゆるPEの範囲の見直しが主要項目です。海外企業の日本での事業活動が課税対象となるかを、契約名だけでなく実態に沿って判断する方向へ進みます。
この記事は2017-12-14に公表された平成30年度の与党税制改正大綱をもとに、国際課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
恒久的施設PEの範囲を見直し
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
代理人PEや準備的・補助的活動の例外などをBEPSの議論に沿って見直す方針です。契約を正式に締結する場所だけで課税対象から外れると考えると、営業活動の実態を見落とします。
併せて押さえたい仕組み
複数の活動を小分けにする場合の取扱い等も論点です。倉庫、販売支援、契約交渉がそれぞれ別の拠点にあっても、事業全体として果たす役割を確認する必要があります。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 恒久的施設PEの範囲を見直し |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 租税条約が国内法と異なる場合は条約との関係も確認します。PE認定と利益配分は別の段階です。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
外国企業の日本担当者が主要な契約条件を決め、本社が形式的に承認する場合には、担当者の権限と実際の意思決定を記録します。契約書の署名者だけを資料にして終わらせないことが大切です。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「平成30年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
租税条約が国内法と異なる場合は条約との関係も確認します。PE認定と利益配分は別の段階です。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。








