国際的な税負担を考える際は、国外転出時課税の創設が重要です。一定の資産を持つ居住者が海外へ移ると、まだ売却していない有価証券の含み益も課税の対象となり得ます。
この記事は2014-12-30に公表された平成27年度の与党税制改正大綱をもとに、国際課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
国外転出時課税の創設を確認
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
大綱では対象資産等の価額合計が1億円以上で、過去10年の国内居住期間が原則として5年超の居住者を対象とする仕組みを示しています。預金を含む全財産が単純に1億円以上かどうかで判定する制度ではありません。
併せて押さえたい仕組み
納税管理人の届出や担保などを条件に納税猶予を設けます。一定期間内の帰国や資産の継続保有による課税取消しもあるため、転出時点の課税と実際の納付時期は分けて確認します。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 国外転出時課税の創設を確認 |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 制度は平成27年7月1日以後の国外転出等を対象とする方針で、公表日から直ちに適用されるわけではありません。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
海外赴任が決まった株式保有者は、航空券の予約より先に対象資産の一覧と居住歴を作ると準備が進みます。売却していないから申告と無関係とは判断できません。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「平成27年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
制度は平成27年7月1日以後の国外転出等を対象とする方針で、公表日から直ちに適用されるわけではありません。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。







