個人所得課税では相続した空き家の譲渡所得特例と、一定の市販薬購入に関する所得控除が主要項目です。家を売る人と薬を買う人では、必要書類も適用時期も異なります。
この記事は2015-12-16に公表された平成28年度の与党税制改正大綱をもとに、個人所得課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
空き家譲渡と市販薬控除の新制度
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
被相続人が住んでいた一定の古い家屋等を相続後に売却する場合、耐震改修や除却などの要件を満たせば最大3,000万円の特別控除を設ける方針です。空き家であることだけでは対象になりません。
併せて押さえたい仕組み
セルフメディケーションを後押しする特例は、一定の健康維持等の取組みをしている人が対象医薬品を購入した場合の所得控除です。通常の医療費控除と重ねて使う仕組みではないため、どちらを選ぶか比較します。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 空き家譲渡と市販薬控除の新制度 |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 空き家特例と市販薬特例は適用開始年が違います。平成28年度改正という名前だけで同じ年の申告へ入れないようにします。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
親の旧宅を売る家族は、建築年、相続後の利用状況、売買契約、耐震または解体の記録をそろえます。薬の控除は領収書の対象商品表示を残し、家族分も含めた年間額を集計しましょう。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「平成28年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
空き家特例と市販薬特例は適用開始年が違います。平成28年度改正という名前だけで同じ年の申告へ入れないようにします。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。






