法人課税では賃上げ促進税制の強化と、戦略分野・無形資産投資への支援が主要項目です。赤字の中小企業にも将来の控除利用を広げる仕組みを設けます。
この記事は2023-12-14に公表された令和6年度の与党税制改正大綱をもとに、法人課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
賃上げ繰越と戦略投資を支援
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
中小企業の賃上げ促進税制に5年間の繰越控除を設ける方針です。税額がない年度の賃上げについても将来の法人税から控除できる可能性が生まれますが、継続的な申告や条件の確認が必要です。
併せて押さえたい仕組み
半導体や電気自動車等の一定分野へ戦略分野国内生産促進の税制を設け、一定の特許権やAI関連著作権等の所得に30%の所得控除を認める仕組みも示されました。対象事業と対象権利を細かく区分します。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 賃上げ繰越と戦略投資を支援 |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | イノベーションボックス税制等は適用開始が後の年度となる項目もあります。令和6年度からすべてが同時に使えるわけではありません。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
赤字の小さな会社は、今年控除が使えないため賃上げ税制と無関係と判断せず、対象額と繰越条件を確認しましょう。知財収入のある会社は、売上すべてを対象所得として扱わないことが大切です。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「令和6年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
イノベーションボックス税制等は適用開始が後の年度となる項目もあります。令和6年度からすべてが同時に使えるわけではありません。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。








