国際課税では無形資産の移転価格と過大支払利子税制の見直しが主要項目です。海外グループ会社への技術移転や借入れの設計へ影響します。
この記事は2018-12-14に公表された平成31年度(令和元年度)の与党税制改正大綱をもとに、国際課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
移転価格と過大支払利子を見直し
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
評価が難しい無形資産について所得相応性の考え方を導入し、DCF法等による価格算定を整備する方針です。将来収益の見込みを使う場合は、その時点の予測根拠を保存することが重要になります。
併せて押さえたい仕組み
過大支払利子税制は対象利子と損金算入限度を見直します。国外関連者との借入れだけを見ればよいとは限らず、対象となる支払利子と調整所得を制度に沿って集計する必要があります。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 移転価格と過大支払利子を見直し |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 移転価格と利子制限では適用開始時期が別です。対象事業年度を条項ごとに確認します。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
海外子会社へ特許を移す会社は、契約書だけでなく将来売上、利益率、割引率の計算を残します。銀行借入れがある会社も、利子総額をそのまま全部損金にできると決めつけないようにします。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「令和元年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
移転価格と利子制限では適用開始時期が別です。対象事業年度を条項ごとに確認します。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。







