国際課税ではグローバル・ミニマム課税の所得合算ルール導入が主要項目です。一定規模の多国籍企業グループの所得について、国・地域単位で最低税率15%を確保する設計です。
この記事は2022-12-16に公表された令和5年度の与党税制改正大綱をもとに、国際課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
グローバル・ミニマム課税を導入
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
連結収入が一定規模以上のグループを対象として、低税率国等の子会社等に関する不足税額を親会社側で課す仕組みを設ける方針です。通常の法人税率と、制度独自の実効税率の計算は同じではありません。
併せて押さえたい仕組み
国内の各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税等を創設し、情報提供制度を整えます。外国子会社合算税制の見直しも行うため、CFCと最低課税を一つの計算へ混ぜないことが必要です。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | グローバル・ミニマム課税を導入 |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 所得合算ルールは令和6年4月1日以後開始の対象会計年度を想定します。ほかのルールの導入時期とは分けて確認します。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
国際グループの担当者は、現地の課税所得だけでなく会計利益、税金費用、会社の所有関係を一覧にします。海外の法定税率が15%以上であることだけで対象外と判断しないようにします。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「令和5年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
所得合算ルールは令和6年4月1日以後開始の対象会計年度を想定します。ほかのルールの導入時期とは分けて確認します。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。








