平成8年度の国際課税を調べる際は、すでに運用されていた移転価格税制と事前確認の枠組みを押さえると、海外関連会社取引の資料を読みやすくなります。この記事では当時の日本で運用されていた枠組みと、相手国の制度の動きを分けて整理します。
当該年度の制度と変更点
次の表で対象、時期、制度の役割を整理できます。複数の制度や年度途中の対応を含む場合は、一括して同じ日に決まったものと理解せず、各日付を分けて確認してください。
| 日本の運用開始 | 昭和62年4月 |
|---|---|
| 平成8年の国際的動き | 米国の事前確認手続の改正 |
| 区別 | 国内確認と二国間の調整 |
制度の意味と具体的な確認方法
税率や金額の変更だけでなく、何を対象にし、どの段階で働く措置なのかを把握すると、古い契約や申告資料と制度を対応させやすくなります。
日本の事前確認は昭和62年から運用
国税庁の研究資料は、日本が昭和62年4月の通達から独立企業間価格の算定方法等の事前確認を実施してきた経緯を示しています。平成8年に初めて作られた制度ではありません。
事前確認は、関連企業との価格算定について将来の予測可能性を高めるための枠組みです。単に海外子会社と合意した価格をそのまま税務当局が認めるという仕組みではありません。取引の内容、比較の根拠、計算方法を具体化することが出発点になります。
平成8年の米国の改正を日本の改正と混同しない
同資料は米国の事前確認制度が平成8年11月に改正されたことも紹介しています。国際比較の年表で隣り合う出来事でも、どの国の制度かを区別する必要があります。
日本企業が米国の子会社と取引する場合は双方の課税が関係しますが、米国の手続変更がそのまま日本法の改正になるわけではありません。国内の事前確認と、租税条約に基づく二国間の調整を別々に記録すると、資料の意味が分かりやすくなります。
当時の資料を確認する
まず対象となる取引日・所得年分・財産区分を整理し、次の一次資料で当時の条件と経過を確認しましょう。現在の制度に同名の措置があっても、対象や期限まで同じとは限りません。








