個人所得課税では極めて高い所得への負担適正化と、税制適格ストックオプションの見直しが主要項目です。一般的な給与の税率が一律に上がる改正ではありません。
この記事は2022-12-16に公表された令和5年度の与党税制改正大綱をもとに、個人所得課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
高額所得負担とストックオプション
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
高額の所得について、基準所得金額から3億3,000万円を控除した額に22.5%を掛けた金額と通常の所得税負担等を比較する仕組みを設ける方針です。一定の高額所得者に追加負担が生じる設計です。
併せて押さえたい仕組み
スタートアップ等の税制適格ストックオプションは一定の場合に権利行使期間を広げる方針です。会社の設立時期や未上場の要件等を確認し、通常の報酬や適格要件を満たさない権利と分けて管理します。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 高額所得負担とストックオプション |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 高額所得負担の措置は令和7年分以後を想定します。大綱公表直後や令和5年分に直ちに適用する制度ではありません。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
会社売却で大きな株式譲渡益が生じる人は、給与とは別に譲渡所得を含む計算を確認しましょう。新興企業の従業員は、行使期限が延びるかを契約内容と会社の条件から確かめることが必要です。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「令和5年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
高額所得負担の措置は令和7年分以後を想定します。大綱公表直後や令和5年分に直ちに適用する制度ではありません。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。








