資産課税では事業承継税制の贈与前の従事・役員要件の見直しが主要項目です。後継者が早めに承継できるようにする変更で、制度全体の条件を撤廃するものではありません。
この記事は2024-12-20に公表された令和7年度の与党税制改正大綱をもとに、資産課税(相続税等)の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
事業承継の役員就任要件を緩和
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
個人事業の納税猶予では贈与前の事業従事、法人版特例では後継者の役員就任について、3年以上という要件を見直し贈与直前の状態で判定する方針です。対象となる事業や会社、後継者の条件は引き続き確認します。
併せて押さえたい仕組み
結婚・子育て資金の一括贈与の非課税は適用期限を2年延長する方針です。目的別の金融機関管理や対象費用の確認があるため、家族への自由な送金がすべて非課税になる制度ではありません。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 事業承継の役員就任要件を緩和 |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | 要件緩和は令和7年1月1日以後の贈与を想定します。旧要件で行った過去の贈与へ自動的にさかのぼる改正とは考えません。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
後継者が会社へ入ったばかりでも、役員就任期間だけで諦める前に改正後の条件を確認できます。ただし承継計画や認定、株式保有等の他の要件を満たす必要があるため、手続き全体を点検しましょう。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「令和7年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
要件緩和は令和7年1月1日以後の贈与を想定します。旧要件で行った過去の贈与へ自動的にさかのぼる改正とは考えません。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。





