国際課税では過大支払利子税制の適用範囲の見直しが主要項目です。外国法人の国内源泉所得について、PEに帰属する所得以外にも適用関係を整理します。
この記事は2021-12-10に公表された令和4年度の与党税制改正大綱をもとに、国際課税の主な変更を整理したものです。大綱は改正の方針であり、その後の法案成立や施行とは段階が異なります。与党の公表資料で当時の内容を確認できます。
過大支払利子税制を外国法人へ整備
変更点を読むときは、対象となる人・会社・取引と、何が変わるかを先に整理すると分かりやすくなります。新設、延長、要件変更、検討事項を同じ扱いにしないことがポイントです。
制度の対象と変更点
PEを持つ外国法人のPE帰属所得以外の国内源泉所得や、PEを持たない外国法人の国内源泉所得にも、一定の支払利子制限を適用する方針です。国内拠点がないため自動的に対象外になると考えないことが必要です。
併せて押さえたい仕組み
外国子会社合算税制では保険会社等に関する特例要件を見直します。グループ内の管理会社の役割や持分関係など、事業再編に伴う実態を確認する資料が重要になります。
| 確認する順序 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.主な変更 | 過大支払利子税制を外国法人へ整備 |
| 2.対象の判定 | 本人・家族・会社の区分、対象財産や取引、所得や金額の条件 |
| 3.時期の判定 | グローバル・ミニマム課税の国際合意と、本年度の国内法上の個別改正を区別します。15%課税が全面施行した年度ではありません。 |
| 4.記録と申請 | 取得・支払・贈与等の事実を示す資料と、制度ごとの申告・届出 |
自分への影響を具体例で確かめる
制度名が似ていても、誰が何をしたかによって適用関係は変わります。次の例のように、自分の事実を制度の条件へ一つずつ対応させると、次に調べる点が明確になります。
判断の例
外国法人が日本の不動産投資等に係る借入利子を負担する場合、国内で課税される所得の計算と利子制限の対象を照合します。PEの有無だけで利子の損金算入を判断しないようにします。
準備する情報と確認先
- 事実と日付をそろえる。金額だけでなく、契約、取得、支払、贈与などがいつ行われたかを記録します。複数の年度にまたがる場合は一覧にし、対象期間に入るかを判定します。
- 必要な手続きを確かめる。申告や届出、認定を要する特例は、対象条件を満たしていても手続きの確認が必要です。原本の注記と、申告先・金融機関・認定窓口が案内する書類を対応させます。
- 他の制度との関係を確認する。別の特例との選択、併用、控除上限などがある場合、制度を一つずつ計算してから比較します。名称だけから同時に使えると推測しないことが重要です。
改正年度と適用時期を区別する
「令和4年度の改正」は、すべての変更がその年の1月や4月から適用されるという意味ではありません。公表、法改正、施行、適用の順に確認すると、過去の資料を誤って現在の取引に使うことを防げます。
見落としやすい点
グローバル・ミニマム課税の国際合意と、本年度の国内法上の個別改正を区別します。15%課税が全面施行した年度ではありません。
実際の申告では、対象となる年分・開始事業年度等の法令と、その後の改正を照合してください。まず当時の変更内容を理解し、次に自分の対象時期を確かめる順序で進めると、必要な資料と手続きを整理できます。






